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TOP > TMコラム > 第3回 日本家屋と心の関係 その1 美しい国日本の家と子供の関係

建築家高橋馨一級建築士によるコラム「TMコラム」

Vol.3 日本家屋と心の関係

美しい国日本の家と子供の関係

桂離宮に代表される日本建築の美しさを世界に広めた、ドイツの世界的建築家ブルーノ・タウトが、その著書「ニッポン」<森儁郎としお訳>の中で、

“他国民の場合に比して、物分かり悧巧りこうな点ではるかにまさっているように見える日本の児童は、常に大いなる喜びの種子である。私は、ある一つの些細ささい な場合を除いては、未だかつて子供が乱暴をはたらいたのを見たことがないし、またどこへ行っても、街頭交通、ことに自動車に対して日本の子供ほど賢く振舞うのを見たことがない

〜中略〜

母親に 背負せお われた幼児が母のする動作を絶えず見守っているのをよく観察したことがあるが、これらの動作の意味が大して説明も要せずに自然に彼等の心に刻まれるのである。

〜中略〜

子供のこの物分かりの さもまた、典型的な日本的な生活法、居住法に対する一つの前提である。たとえば紙の襖や障子は、子供のこういう特性がなかったらいったいどうなってしまうことだろうか?”

ここでタウトがいっていることは、日本家屋の住空間の特徴が家での作法(特に子供の行動パターン)やコミュニケーションを規定するのではないかということです。
日本の子供たちが西洋の子供と比較して、自分の動作、行動様式を美しくふるまうことができるのは、障子、襖といった破れやすい材料で構成されており、美しい作法が幼少の頃から修得できることにあるのではないかということです。(以上「美しい日本人」齋藤孝 著からの要約)
また日本家屋の特徴として、空間の序列がはっきりしており、サザエさんの家における波平の部屋がそれを明確に物語っています。
ところが個室としての認識が薄く、欧米では子供が大人の寝室に入ることは基本的に許されないが、日本の一般家庭では家全体どこでも行き来でき、子供がいかなる片隅へ入り込んでも障害となるものは何一つありません。家族のコミュニケーション、子供のメンタリティにとって最適な家の構造であるといえます。
個人的空間は近代になってから出てきたものであり、日本では昭和30年代後半以降、子供部屋が爆発的に増えてしまいました。
元々ちゃぶ台で勉強をしていた子供が、受験勉強のためと個室へ追いやられ、親が子供部屋に入るのに許可がいるというバカげたことが、一般化しつつあります。本来日本の家屋が持っていた優れたものを、すべてなくしてしまったようです。

障子

障子(京の数奇家 京都書院)

ふすま

襖(京の数奇家 京都書院)

ドラえもんの家や、子供が事件を起こした家の間取りは、かつての日本家屋の良さを忘れたものであり、最近の子供達が落ち着きがなく学級崩壊を招いたり、些細な事でキレてしまう要因の1つに、住まいが少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。

 

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