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TOP > TMコラム > 第3回 日本家屋と心の関係 その3 元気がなくなる家

建築家高橋馨一級建築士によるコラム「TMコラム」

Vol.3 日本家屋と心の関係

元気がなくなる家

ホリエモンの体験談

現代の居住施設の中で最も元気がなくなる空間は、私自身は経験はありませんが、拘置所であり独房であると思います。
頑丈な鍵がかかった鉄の扉と外界の様子が殆どわからない小さな窓、もう二度とこのような場所で生活したくないと思わせる空間であることが想像できます。
あのホリエモンが東京拘置所での生活における居住性の悪さを指摘しながら二度と入りたくないと感想を述べています。居心地が良いとリピーターが増えて困ります。(余談になりますが、身寄りのない老人が無銭飲食等の軽犯罪を再犯することで刑務所へ逆戻りするケースが増えていることが報道されていました。厳しい 娑婆シャバ の世界より三度の飯が保障されている刑務所の方が快適ということか?)
ところが昭和30年代後半から、建設された住宅を振り返るときまるで拘置所のような平坦で個性のない画一的な住まいが大量に建設されました。急激な都市化に伴う量的不足を解消するために、規格化、工業化、量産化といった供給者サイドの利益を最優先させ、そこに住まう生活者の視点を軽視した公営公団住宅やハウスメーカーのプレハブ住宅が建設されました。
食寝分離、個室の確保を主眼に置き、天井の高さが均質な部屋に機能が無理矢理与えられた3LDK、4LDKといった個室の数や面積だけで住宅の価値を表す住宅は、心の逃げ場をなくしてしまいかねません。

コアずらし平面

公団・公社のアパートの間取り
(都市空間の計画技法 彰国社)

このような間取りは、元気がなくなるだけでなく心の病気を引き起こす可能性も秘めています。心の逃げ場のない均質な拘置所のような住宅で育つ子供達が、元気がなくなり鬱病になったり、逆切れ、家庭内暴力を起こしたり、親は親で子供を虐待したりとまるで悪魔の館のようです。
心の状態が不健康になりかけた時に、独立動線によるプライバシーが確保されすぎた均質な個室を与えられると、日本の子供の場合は引きこもりや逆切れ、親が子供部屋に入るのに許可がいる等の弊害が起こってしまうのではないでしょうか。

元気がなくなる要素

元気がなくなる要素として、空間と心理の相関関係を研究している昭和女子大学の友田博通教授は、元気がなくなる要素として
1.機能が限定されている
2.部屋の天井の高さや広さが均質
3.空間の可変性がない
としている。
「人の気配も分からず、心の逃げ場のない家」は元気がなくなるだけでなく、家族関係や心の問題に大きく関わっているのです。

 

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