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TOP > TMコラム > 第6回 美しい街づくりの必要性 美しい街になるために(内面的条件)

建築家高橋馨一級建築士によるコラム「TMコラム」

Vol.6 美しい街づくりの必要性

美しい街になるために(内面的条件)

美しい街の条件として様々な要素が考えられます。まず外観としてではなく、私が思う美しい街の内面的条件は次の3つと考えています。

  • 自然への畏敬の念を大切にしている。
  • 歴史・伝統・文化を大切にしている。
  • 精神性を重んじる風土がある。

自然の力、大地の力に対し日本人は跪きます。それは、ある時は地震・台風・地の神・海の神・山の神、それらの偉大な力に対して跪きます。ある時は四季折々の美しい自然に対して、ある時は豊作をもたらす気候、森の幸、海の幸に対して跪きます。 桜前線は日本気象協会の最も大切な予報であり、お月見ができるかどうかの夜の天気も日本人には大切です。
全世界のどの国よりも、日本の天気予報のキャスターが伝える内容は文化的で自然を愛し、畏敬の念を持ちつづける日本人の情報番組になっています。
現代の日本人は、以前ほど自然との関わりは少なくなったと思われます。しかし千数百年も前から月を愛で詠いつづけてきた日本人の感性を引き継いでいます。さらに世界でも珍しい、土器をもった狩猟採集文化である縄文時代から受け継がれている“人間と動植物が一体の世界観”をもつDNAを引き継いでいます。美しい自然は自然への畏敬の念とともに美しい街の重要な要素です。
日々流れてくるお天気キャスターの、季節ごとの四季の変化のコメント、和歌、俳句、諺が、住んでいる自分の街で身近に実感できることが必要です。

日本の場合、小さな街でもその郷土に伝わる歴史・伝統・文化はあります。ヨーロッパはもちろん、歴史の浅いアメリカでさえ、街の歴史は大切に伝承され、その街その街の誇りにもなっています。 日本においてもその街の里山、神社、仏閣や古くからの居住文化を大切にし、住民の誇りとなっている街は、街並保存等にも力を入れ美しい街並が形成されています。
また“貧富と貴賎は無関係”というのは、今も日本に残る美風です。「武士は食わねど高楊枝。」室町末期に日本に来たザビエルが「日本人は貧しいことを恥かしがらない。武士は町人より尊敬されている」と書いています。
お金をかけた絢爛豪華な建物や自然になじまないものに対して、驚くことはあっても美しいとは思わない美意識があります。
粋(いき・すい)侘(わび)寂(さび)深み(ふかみ)極み(きわみ)は、まさにスマート&クールに表現される日本人のDNAに由来する美的感覚であり、その精神性を重んじる風土が必要となります。
日本でありながら地中海風、スペイン風、ハワイ風といった、テーマパークのような街づくりを時々見かけます。何々風という時点ですでに本物は別にあり、私達のつくっている街はイミテーションですと表明しているような街づくりは、今すぐやめて頂きたいものです。

 

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