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TOP > TMコラム > 第8回 美しい街の構成要素 カタカナ名のテーマパーク的街づくりは美しいか

建築家高橋馨一級建築士によるコラム「TMコラム」

Vol.8 美しい街の構成要素

カタカナ名のテーマパーク的街づくりは美しいか

これまで美しい街の構成要素として、自然の力、シンボルツリー、既存樹、森の生活、住民のための公園、地形を活かす、中庭的道空間等、様々な観点から実例を紹介しながら考えてきました。最近売出し中の若手の漫才コンビで「欧米か!」と突っ込むギャグが受けています。
バブル景気を境に、佐世保のハウステンボススペイン村ポルトガル村倉敷チボリ公園等全国いたるところに欧米風のテーマパークが出現しました。まさに「欧米か!」と突っ込みたくなります。 欧米コンプレックスといえばそれまでですが、今これらのテーマパークは倒産、赤字、どれひとつ成功したものはありません。かたや、バブルとも思える中国において、エッフェル塔までまねたパリそっくりの新興富裕層が住む街が出現したことがニュースになりました。今の日本からみて、パリをまねたイミテーションに対し、好感を持つ人は少ないでしょう。むしろ中味のない軽薄な印象をうける人が多いのではないでしょうか。
日本においてもほんの20年前、今の中国と同じように、イミテーションの風景を好んでつくってしまいました。さらに現在でも、戸建てやマンションの街のイメージを地中海風、イタリア風、スペイン風、イギリス風、モナコ風と何が何だか意味不明、中味のないイミテーションの街づくりを見かけます。「欧米か!」と突っ込みたくなる出来事は今でもいたるところにあります。

21世紀の日本がめざす美しい風景は、オランダやイギリス、イタリア、スペイン、ポルトガル、モナコ、モンテカルロではありません。“日本の風景”です。 食生活も同じです。戦後、パンや牛乳、スパゲッティ、ハンバーグ等、高タンパク質、高脂肪、“高カロリーの食が一番”、“和食は頭が悪くなる”等、根拠のない思い込みと欧米へのコンプレックスが重なり、日本の食卓は一気に洋食化が進みました。
しかし、現在“メタボ”-高肥満、高血圧、高血糖、高脂血等これらすべての原因は、食生活の“欧米化”によるものです。 “頭が良くなり、健康を保つのは、実は日本食でした”と、今さら言われてもと、すっかり欧米食に餌付けされた戦後生まれの“メタボおじさん”は世間の冷たい目にさらされています。 “風景”と“食”日本が一番といえる時代がやっと訪れてきたようです。

残念ながら短命に終わってしまった安部内閣が“美しい国”を唱えていました。その在任中に日本における5回目のサミット会場として、自然豊かな洞爺湖町が選ばれました。日本の美しい自然を全世界に発信できることは、誠にすばらしい事だと思います。
ただ残念なことにここでの会場のホテル名が最悪です。 「ザ・ウィンザーホテル洞爺」です。日本で行われる世界が注目するホテル名がイギリスの城の名前なのです。仮にフランスで行われているサミットでのメイン会場名が「ザ・大阪城ホテルマルセイユ」といっているようなものです。フランス人は絶対にそのような会場は選ばないはずです。日本が世界にさらす大失態となります。 柱離宮伊勢神宮黒川温泉等もっとすばらしい会場はいくらでもあるのではないでしょうか。

第8回 その4 中庭的道空間第8回 その5 > 第8回 その6

 

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