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TOP > TMコラム > 第8回 美しい街の構成要素 大地の力

建築家高橋馨一級建築士によるコラム「TMコラム」

Vol.8 美しい街の構成要素

地形を活かす

建物と自然の共存を考えるとき、最も重要なポイントの1つとして、敷地の造成に対する理念にあると思います。
なるべく無粋なコンクリート擁壁をつくることなく、自然地形を活かした法面処理とすることで、その街並みは格段に美しく印象的なものになります。
日本は古来から、水田を主体とした農耕を生活の糧としてきたことも大きな要因であると思われますが、土地はフラットでないと価値が無いのではないか考えているようです。水田に水を張るには水平な土地でないと価値が無いのは当たり前ですが、宅地やお墓に至るまで、急勾配の土地に無理をして水平な土地を造成している場合が数多く見受けられます。
結果として、無粋な土木構造物であるコンクリート擁壁が街並み景観を支配することとなります。
一方、水田のない畑作・牧畜を主とした歴史を持つイタリアやポルトガルの山岳都市においては、かなりの傾斜地においてもコンクリート擁壁によって、水平な土地の上に建物を建てる発想はなく、自然地形の上にそのまま建物を建てる手法をとっています。一方で、水平な農耕に適した土地は農地とし、農地に使えないような傾斜地を宅地にするという発想もあったようです。
そのようにして生まれた山岳都市は、美しく、大地と建物が一体化したすばらしい景観が観光資源にもなっています。

ITALIAN HILLTOWNS
NORMAN F. CARUER JRより
山岳都市の写真_


日本においても、無粋なコンクリート擁壁は、極力造らない方が美しい景観が実現します。造成法面をコンクリート擁壁として処理するのではなく、斜面庭として取り組んだ事例を紹介します。

 

八王子南大沢の斜面を活用した街並みです。7mを越える造成斜面にそのまま建物を建て、法面は緑地となっています。同団地内の単純フラット宅地の住宅より高価格にもかかわらず、人気が高かったことも、景観に対するユーザーの的確な評価が今までの常識を覆すこととなりました。

南大沢にて
TOM-Research作品集より

 
TOM-Research作品集より


芦屋、宝塚の事例です。丘陵地の自然地形を極力変えることなく、建物と大地を一体的に計画した街並みです。造成以前から生息している既存樹はこの街の大きな財産となっています。

芦屋にて
TOM-Research作品集より

宝塚にて 
TOM-Research作品集より


和泉市の街並みコンペ事例です。販売時には、斜面庭を住人が手入れできるか等の様々な否定的な意見もありましたが、10年以上経った街並みは、高い住民意識のおかげですばらしい景観となり、隣接する一般戸建てとの比較が、傾斜庭を持つ街並みがいかに美しいものであるのかを、より一層強調しているようです。

 

トリヴェール和泉いぶき野にて
TOM-Research作品集より

  
TOM-Research作品集より

 

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